学校であった怖い話
>隠しシナリオ1(坂上修一)
>I3

そうだ。
僕は、このまま六人ともいなくなればいいと考えていた。
その方が、おもしろい記事になるというだけの理由で。
今まで気づかなかったけれど、僕の中には、邪悪な暗黒があったのだ。
もしかしたら、それが六人を引き寄せたのかもしれない。

彼らが、僕に手を差し伸べた。
「やっと、わかったかい。さあ、それじゃ行こうか」
僕はためらわず、その手を取った。
彼らの背後の空間が、ふわりと揺れた。

ユラユラと揺らめく空気が、スクリーンのように、黒々とした建物を映し出す。
あれは……旧校舎だ。

「あそこが僕達の世界だよ。そしてこれからは君の世界にもなる」
何の抵抗もなく、足が浮き上がった。
スクリーンを通り抜け、あそこに行くのだ。
僕の新天地へ。
そうだ、今ならわかる。

旧校舎の、落ち着いたすてきな雰囲気が。
きっとあそこには、仮面の少女もいるに違いない。
何だか、無性に彼女に会いたかった。
僕はときめく胸を押さえながら、陽炎のような世界へと飛び込んでいった。


       (ドクロエンド)