晦−つきこもり
>二話目(藤村正美)
>D7

そんなこといっても駄目ですわ。
私にはわかっていますもの。
誰だって、一番大切なのは自分ですわ。
私だけが卑怯なんじゃない。
私は、ひどい女なんかじゃない。

それでも、あなたが自分だけは違うというのなら……。
いいですわ。
見せていただきましょう。
今日はきっと、何かが起こる。
私には、わかっているんですもの。
このまま続けていけば、何か恐ろしいことが起きる……とね。

そのとき、あなたがどういう態度をとるのか。
うふふ、楽しみですわ。
さあ、次の話をしましょうよ。


       (三話目に続く)