晦−つきこもり
>三話目(真田泰明)
>J12

そうだよね。
話だけじゃあ信じられないよな。
でもね、その場にいるとそんなことはいってられないんだよ。
彼の力が、ひしひしと感じられてきたんだ。
俺は彼の目を見た。
その目は吸い込まれそうな深い闇の色をしていたよ。

そして俺はこう答えたんだ。
「わかりました……」
すると、彼の背後から黒い闇があらわれ……。
そして我々を包んだ。

泰明さんは話すのを止めた。
「泰明さん……」
私の頭に不安がよぎった。
(泰明さんがその子の仲間になるって、どういうことなの……?)
そして泰明さんはゆっくり顔を上げる。

その顔には不気味な笑みが浮かんでて……。
「みんな、俺と一緒に行かないか……」


すべては闇の中に…
              終