晦−つきこもり
>三話目(真田泰明)
>AI4

おいおい、何かいってくれよ。
ははっ、まあ俺にもわけがわからないぐらいだから、しょうがないか。
そんなある日……。
俺は家で床についた……はずだった。
しかし、フッと気づくと俺は知らない家の中にいたんだ。

なぜそこに立っていたのか、俺にはわからなかった。
周りを見渡すと、床に北崎洋子が倒れている。
そして、俺の手には血に濡れたナイフがあったんだ。
彼女には、まだ息があった。
俺が彼女を抱き上げると、彼女はこういったんだ。

「私たちの……、確執も……、あなたが仕組んでいたなんて……。
あの石を……、石をくれたのも、その後の……、番組のための……、準備だったなんて……」
俺には、わけがわからなかった。
そして彼女は事切れたんだ。

俺は、こっそりとその家を後にした。
家の外には、俺の車があった。
いったいどういうことなんだ……?
俺は、ふとポケットの中の石を見た。
すると……!
俺の持っていた石が大きくなっていたんだよ。

いや、大きくなったというより、割れてたもう一つがくっついたような感じだ。
彼女の石が、くっついたっていうのか……?
とにかく俺は車に乗り、家に帰ったよ。
その後、警察は彼女の死について調べたらしいが、俺が調べられることはなかった。

そして、この時から、この石は露骨に俺を操るようになったんだ。
石は俺の栄光を約束してくれたが、代わりに石をすべて集めることを要求したのさ。
今回、俺がここに来たのも、そのためなんだ。
これで全部そろった。

泰明さんは立ち上がった。
手にはナイフを持っている。
「みんな、ごめん……、俺はこの石に逆らえないんだ」
そして泰明さんは、振り上げたナイフを私の頭上へ…………。


すべては闇の中に…
              終