晦−つきこもり
>三話目(真田泰明)
>AK4

そうだね、そうだといいんだけど……。
そんなある日、突然、北崎洋子が死んだのさ。
ドラマの撮影中だった。
彼女は毒入りのコーヒーを飲むシーンで、本物の毒を飲んで自殺したんだよ。
彼女の遺品からは、あの石は発見されなかった。

肌身離さず持ち歩いていたというのに……な。
その後、俺が、あらためて自分の石を見ると……。
俺の持っていた石が大きくなっていたんだよ。
いや、大きくなったというより、割れてたもう一つがくっついたような感じだ。
彼女の石が……?

……とも思ったが、けっきょく、この事件は多くの疑問を残したまま終わったんだ。
取材も未完成のまま。
まあ番組の方は、芸能界最大のミステリーって感じの特集にして、ある程度は注目されたんだけどさ。
俺の話はこれで終わりだ。

ただ、この石には、なんかとてつもない秘密があるんじゃないかと思うんだ。
今日、これで三つ目だろ……。
これから何か悪いことが起きなければいいんだが……。
でも、この石には逆らうことはできない、そんな気がするんだ。

これから何が起こったとしても、それは運命のような気がするのさ。
じゃあ、次の人の番だな。


       (四話目に続く)