晦−つきこもり
>三話目(藤村正美)
>A3

そう、手っ取り早いし、確実ですわね。
もっとも、何かの資格を持っていなければ、資料整理くらいしかできませんけれど。
幸い、浦野先生は多忙な方でしたから、秘書役が欲しかったんでしょうね。

アッサリと採用されたのですわ。
それから、武内さんの幸せな日々が始まりました。
浦野先生は忙しい方ですから、交わせる会話も限られています。
しかも、話の内容も仕事関係ばかり。

それでも彼は、幸せだったのですわ。
意外にも、武内さんにはその方面の才能があったようで、オフィスは見違えるように機能的になりました。
先生からも仕事ぶりを認められ、秘書として大切にされるようになったのです。

このまま、うまくやっていけるはずでした。
それが台無しになった理由は、ただ一つ……。
それが何か、知りたいでしょう?
1.知りたい
2.知りたくない