晦−つきこもり
>四話目(鈴木由香里)
>F8

欲しい……。
すっごく欲しいわ。
「どうしようかなぁ……。かわいい葉子に頼まれちゃったらなぁ……」
頼んだら……?
OKしてくれるのかしら……。

「由香里姉さん。私…………」
「やっぱりやーめた。これはあげられないわ。私の大事な御守りだもん」
そういって、由香里姉さんは御守り袋をポケットにしまっちゃった。
そして、にっこりと微笑んで……。

「さ、次の話へ行ってくれる?」
……もう!
由香里姉さんたら、最初っからくれる気なんてなかったのに、気をもたせるようなことして!
知らないっ!
さっさと次へ行こうっと。


       (五話目に続く)