晦−つきこもり
>五話目(鈴木由香里)
>J8

ずいぶん強気な発言じゃん。
恋のために死ぬって、そんなにかっこいいもんかなぁ。
私は、生きるのも死ぬのも、自分自身のためだけでありたいな。
だって、私、自分が一番大事だもん。
たとえ恋をしても、その人は二番目。

自分にとって二番目以下の人のためになんて、絶対死ねないね。
でも、葉子は自分以外の人のために死ねるんだぁ。
私とは違うね。
ねぇ、葉子……。
恋をしたら、この由香里姉さんに、真っ先に教えるんだよ。
いつでも相談にのるからさ。

私たち親戚じゃん、遠慮なんてしないで。
楽しみだなぁ。
命をかけた恋ってやつが、また見れそうだ……。
さぁて、私の話はこれで終わり。
次へ行ってくれる?


       (六話目に続く)