晦−つきこもり
>五話目(藤村正美)
>N6

まあ、そんな投げやりな態度なら、教えてあげませんわ。
そのときの話は、これでおしまいですけれどね。

ところが、夜になってから、状況が変わったのです。
というよりも、部屋に一人でいたら、さすがの彼女も、だんだん腹がたってきたということですわね。
いくら考えても、あのネズミが気のせいだったとは思えません。

ということは、更紗ちゃんと恭介さんが、しめし合わせていたのですわ。
いいえ、更紗ちゃんが、やさしい恭介さんを、無理矢理巻き込んだのでしょう。
このままには、しておけません。
彼女は、勢いよく部屋のドアを開けましたわ。

ところで葉子ちゃん、さっき説明した、建物の配置は覚えていますわよね。
ドアを開けて、正面に見えるのは、誰の部屋だったかしら?
1.更紗
2.恭介