晦−つきこもり
>六話目(前田和子)
>G7

「なんだよ、葉子ネエ。何いいだすんだよ」
良夫が、なぜか顔を赤くしている。
はっ!!
私、何をいってるんだろう。
駄目駄目、和子おばさんの話を真面目に聞かなきゃ。

「あっ、あのっ、すみません、わけのわからないことをいってしまって」
和子おばさんは、何か考えこんでいる。
そして、ちらりと私を見ると、こんなことをいいだした。

「わかったわ。二人の結婚を認めましょう」
ちょっと待った!!
何でそんな話になるの!?
ああもう、どうしよう。
そうだ!
ここはひとまず逃げるしかないわ。

「あっ、私、ちょっとトイレに……」
よくわからないことをいいながら、部屋から逃げ出した。
「葉子ネエ!」
うっ!
良夫が追いかけてきた!!
うぐっ!!
いきなり抱きつかれる。

「どうしてもっていうんなら付き合ってやるぜ」
何っ?
何をいいだすのよ?
一体何なのーーーーー?
ひとまず、その夜は良夫から逃れた。
次の日も、朝一で自分の家に戻った。

だけど……………………………… ………。
「葉子、何見てるんだ?」
「あっ、良夫」
「これ、おばあちゃんの七回忌の時の写真じゃないか。懐かしいな。
俺達、この時から始まったんだよな」
「……うん」

「しかしあの告白にはビビったよ。
実は愛してるなんて叫ばれちゃあな」
「叫んでないってば」
……あれから十年。
なんと私は、かっこよく成長した良夫とつきあっていた。
これって、ハッピーエンドなのかなあ。

怖い話を聞いていたはずなのに、どうしてこんなことに……。
考えてもしかたないか。
あの頃あこがれていた泰明さんは、もう四十を越している。
それにくらべて良夫は……。
うーん、やっぱり年下っていいわ。
私はアルバムを閉じ、良夫と口付けをかわした……。

さて、このまま進むとゲームオーバーになりますが、それでもいいですか?
1.良夫がいれば何もいらない
2.ゲームオーバーはごめんだ