晦−つきこもり
>六話目(山崎哲夫)
>H12

「そうだよなあ。こんな石、気味悪くて触れないよな。じゃあ、しまうよ」
哲夫おじさんは、石をポケットに戻そうとした。
「あっ!!」
おじさんの手から、石が転がり落ちた。

「…………」
おじさんは、青い顔をしている。
「まただ、この石、また動いたぞ。
今、見ただろ? ひとりでに自分の手から落ちたのを!」
「うっそお、ちょっと見せてよ」
由香里姉さんが、石を手に取る。

何だろう。
なんだか、嫌な予感がする。
「みんな、これからどうする?」
哲夫おじさんが、周りを見回した。

そうだわ。
みんな、一通り話し終わったのよね。
さあ、これからどうしようか……。


       (七話目に続く)