晦−つきこもり
>六話目(前田良夫)
>2D1

さてと……葉子ネエ、わかってた?
これで、七不思議は全部、終わったんだよ。
昔からいうよな。
七不思議を全部知ってしまうと、何か恐ろしいことが起きるって……。
なんだか、やな予感がしないか?

俺、さっきから寒気がしてるんだよな……。
良夫は、ニヤリと笑った。
私を脅かそうっていうのね。
本当に、なんて嫌なヤツなんでしょう。
私が文句をいおうとした瞬間。
ハッと、みんながこっちを向いた。

泰明さんも和子おばさんも、哲夫おじさんも……良夫まで、体を凍りつかせて私を見ている。
……ううん、違うわ。
私の後ろを見てるんだ!!
背後から、冷たい空気が漂ってくる。
いったい、後ろには何がいるっていうの……!?


       (七話目に続く)