晦−つきこもり
>六話目(前田良夫)
>2E1

さてと……葉子ネエ、わかってた?
これで、七不思議は全部、終わったんだよ。
でも、さっきの『生きてる骸骨』の話は、してないよな。
だから、これじゃあ、七不思議のホントの面白さは、わかんないんだぜ。

話が七つ揃って、初めて『七不思議』なんだから。

そういって、良夫は得意そうに笑った。
なんて憎たらしいヤツなの。
「さーて、俺もう寝ちゃおかなっと。葉子ネエのせいで、しらけちゃったもんなあ」
わざとらしくいうと、良夫は部屋を出て行ってしまった。
他の人たちは、みんな見て見ぬ振りをしてくれてる。

ああ、もう!
こんなはずじゃなかったのに。
久しぶりに泰明さんと会って、前より大人になった私を、見てもらいたかったのよ。
それなのに、良夫の馬鹿のせいで……。
これじゃあ、私と良夫が同レベルみたいじゃない。
もう……最低。

私は、深く深くため息をついた。


すべては闇の中に…
              終