晦−つきこもり
>七話目(前田和子)
>T10

一体誰なの?
私は、懐中電灯を向けた。
光の中に、一人の人物が浮き上がる。
それは、私がよく知っているあの……。
「ど……どうしてこんなことを……ぐっ!!」
正体を知られ、犯人がいきなり逆上した。

力一杯、ナイフが振りおろされる。
肩をやられて、地面に倒れ込んだ。
生暖かい血が、だらだらと流れ始める。
もう、駄目……。
私は泰明さんの側で、最期の時を迎えた……。


すべては闇の中に…
              終