晦−つきこもり
>三話目(前田和子)
>K5
……やっぱり続けよう。
さっきだって、和子おばさんが来ただけで助かったし。
みんなでいれば大丈夫よね。
今は、それでいいような気がする。
やめようなんていって、みんなバラバラの部屋で寝ることになったら、もっと怖いだろうし。
私達は、客間に戻った。
「へへ、戻ってきちゃった」
由香里姉さんは笑っている。
……ゆっちゃんか。
由香里姉さんって、昔ゆっちゃんとか呼ばれていなかったっけ?
そんなことをふと思い出した。
やだ、私、何考えてんの。
由香里姉さんが幽霊のはずないじゃない。
変な想像はやめよう。
さあ、次は誰の話を聞こうか……。
(四話目に続く)