晦−つきこもり
>七話目(鈴木由香里)
>E6

<そうか、君もついに聞いてしまったんだね。あの死霊たちの声を。
残念だが、君が助かるのはかなり困難と出たぞ。死霊の声が聞こえるのは、その人が霊に魅入られてるからなんだ。君は、地獄に引きずり込まれようとしてるのさ>
……そ、そんなぁ!
私、どうしたらいいの?

<安心してくれ。何のために、僕がこうして君にコンタクトを取ったか……。もちろん君を助けるためじゃないか>
……本当?

<ああ、本当さ。いいかい? 死霊たちは視覚を通して君の魂を狙ってくる。だから、僕が行くまで、決して目を開けちゃ駄目だ。
約束してくれるね。じゃあ、これから急いで出発するよ。そうだなぁ、所要時間五分ってとこかな?
僕は、目印にイボガエルを頭に乗せて行くよ。それじゃあ、五分後に……>

……はい! お待ちしてます!!
<………………いやぁ。ごめん、ごめん。五分っていうのは僕にとっての時間で、地球での時間に計算すると、千八百五十七年二百三十三日と十一時間五十四分になるんだ。じゃあ、その時を楽しみに待っていてくれたまえ>

…………そういって、謎の声は跡絶えたわ。
私に、千八百五十七年二百三十三日と十一時間五十四分待てっていうの……!?
そんなの無理よーーー!!


すべては闇の中に…
              終