晦−つきこもり
>五話目(藤村正美)
>G9

葉子ちゃんたら、おかしなことを気にしますのね。
もしかしたら、良夫君のことが好きなのかしら……うふふ。
そういって、正美おばさんは笑った。
ハッと気づくと、みんなニヤニヤして私を見てる。
泰明さんまで!?
うう……ショック。

良夫の馬鹿は、いつもに似合わず赤くなってるし。
もう、変なリアクションしないでよ。
こっちの調子まで、変になっちゃうじゃないっ。
「おおっ、葉子ちゃん、赤くなってるじゃないか」
うるさい、哲夫おじさん!

「へえ、葉子って年下趣味なんだあ」
やめてよ、由香里姉さんまで!!
んもう、みんな嫌いよっ!!
何だか無性に腹が立って、私は部屋を出た。
怖い話なんか、もう知らない。
聞かなくたっていいもん!


すべては闇の中に…
              終