学校であった怖い話
>一話目(岩下明美)
>A2

そう。
だったら、話が早いわ。

内山君は、いじめられっ子だったの。
性格のいいおとなしい子だったんだけれど、やさしすぎたのね。
命令されると断れずに、いじめっ子たちの言うことを聞いていたわ。
嫌な顔一つせず、いつもニコニコ笑いながら、命令されたことに忠実に従っていたの。

それが、いじめっ子たちの気にさわったのね。
でも、もし逆らったとしてもいじめられたんだろうな。
いじめっ子なんて、勝手なもんよ。
逆らったら逆らったで、気にくわないって殴られる。
従えば従ったで、おもしろくないって蹴飛ばされる。

どっちにしろ、いじめるのよね。
あいつら、勝手だから。
それでも、最初は冗談半分だったわ。
いじめっていっても、冷やかす程度で、本当に周りから見ていてもじゃれているようだった。

でも、エスカレートするのに時間はかからなかった。
一ヵ月もしないうちに、万引きをさせられたり、お金をもってこいって言われたりするようになったの。
それを断ろうものなら、思い切り殴ったり蹴ったりするのよ。

あなた、内山君がそういうひどい目にあっていたこと、知ってるわよね?
1.知ってる
2.知らない