学校であった怖い話
>一話目(岩下明美)
>A4

そう思っているのは、あなただけじゃないかしら。
助けてあげたって、具体的にはどう助けてあげたの?
本当に助けてあげたのなら、あんなことにはならなかったのよ。
あなたは、助けてなんかいない。
内山君のこと、見捨てたのよね。

……内山君はね、誰も助けてくれないから、いろいろと考えたの。
どうして自分がいじめられるのかをね。
そしたら、わかったのよ。
どうして自分がいじめられるのか。
どうしてだと思う?

そう、みんなに悪霊が取りついていたからよ。
この学校に住む悪霊がみんなに取りついていたの。
いじめっ子たちはもちろん、いじめられる自分を見て見ぬ振りをする冷たいクラスメートたちや先生にもね。

悪霊の取りついていない内山君だけが、ひどい目にあっていたのよ。
内山君は、みんなに話したわ。
みんなは、悪霊に取りつかれているって。
それでも、みんなは笑うばかり。
変なものを見るような目で、誰も内山君と話をしなくなっちゃったの。
ひどい話よね。

……あら、どうしたの?
あなた、顔色が変よ。
気分でも悪いの?
それとも、あなたのしたことに罪の意識でも感じているのかしら?
1.僕は悪くない
2.僕も悪かった