学校であった怖い話
>一話目(福沢玲子)
>G3

「決」って意味でしょ。
ベッドに「決める」って文字を隠すなんて。
何か思いつめてるのかなとか思うじゃない?
だから私、気になって、早苗ちゃんを探しにいったの。

教室に戻ってるのかもしれないとか、思いつめてるんだったら、屋上にいるのかもとか考えて、いろいろ見てまわったの。
そしたら、いないのよ。
どこにもいないの。

どうしようかなって廊下をうろうろしていたら、化学室から、音が聞こえてきたの。
カツン、コツン、……って。
その時間、化学室では授業をしていなかったのに。

私、とっさに思ったわ。
早苗ちゃんかもしれない。
何かを悩んでいる早苗ちゃんが、化学室の劇薬を持っていこうと、薬品棚を見ているのかもしれないって。

それで、そっとのぞいてみたの。
それは確かに早苗ちゃんだった。
早苗ちゃんが、なんだか分からない粉末の入ったビンを棚から出して……。
ビンに中指を入れてね、ちょっとかき混ぜて、
指についた粉をなめたの。

しまった!
息をひそめて見てたから、止めるタイミングを失ってしまった。
あれが毒薬だったら、早苗ちゃん、死んじゃうかもしれない。
早苗ちゃんは又フラフラと、化学室を出てどこかへ行ってしまったの。

私、早苗ちゃんがなめた薬品を探してみたわ。
早苗ちゃんがゴソゴソやってた薬品棚の奥の方から、その形のビンを探したの。

ビンの中には、茶色の粉末が入っていて……。
ラベルはついていなかった。
それで私、どうしたと思う?
1.ビンの中身をなめてみる
2.ビンを先生の所に持って行く