学校であった怖い話
>二話目(風間望)
>F4
「風間さん、聞かせて下さい。
どんなに恐ろしい話でもかまいません。
僕も新聞部員のはしくれです。
取材は途中で投げだせません」
風間さんは、僕の目を射抜くように見つめた。
「君が、それほどの覚悟を持っているのなら……」
彼の瞳は、固い決心に彩られていた。
これから、どんな恐ろしい話が語られるのだろう。
夜中ひとりでに歩くという銅像は何か想像を絶するような事件を引き起こしているのだろうか?
部室内は、各々の心臓の音が聞こえそうなほど静まりかえっていた。
暑い……。
なんて暑いんだろう。
僕のシャツと肌の間に、何本もの汗の筋が通っていく。
しばらくの沈黙の後、風間さんは目を伏せながら、銅像の話を語り始めた。
「生徒通用門に入り右手に進み七本目の植木のあたりにある花壇ごしに見える裏庭から新校舎の北へ向かって百十七歩程歩いた所で左に曲がり体育館まで行かない所にしめやかにたたずむ校長先生の銅像……。
まゆはきりりと上り生徒を慈愛の目で見つめるその瞳の奥に教育への熱情が込められている僕達の誇りともなるべき最高の銅像は……
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………………夜中ひとりでに動く。
終わり」
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1.これで本当に終わりなのか尋ねる
2.次の人の話に移る