学校であった怖い話
>二話目(岩下明美)
>I10

私の聞き間違いじゃないといいけど……。
あなた、今、傷ついている女の子を一人残して逃げるって言った?
そう言ったわよね?
あんた、さっき自分のこと優しいって言ったじゃない。
違うの?

それとも、私の耳がおかしくなったのかしら。
私、確かに聞いたんだけど。
あんた、優しいんでしょ。
だったら、助けてあげなさいよ。

私、嘘をつかれるのが大嫌いなの。
嘘をつかれると、殺してやりたくなるの。
いいわね?
今度、嘘をついたら、殺すからね。
嘘をついちゃだめよ。

あんたは、優しいんだから。
彼女を助けるのよ。

「大丈夫かい? 僕が、おぶってあげるよ」
あんたは、彼女を優しく抱き起こすと、背負ってあげたの。
彼女は言ったわ。
「……ありがとう。……私のこと、放さないでね」

あんたは、優しいもの。
なんて答えたか、わかるでしょ?
1.いいよ
2.嫌だ