学校であった怖い話
>四話目(荒井昭二)
>B2

……そうですか。
不思議な話がお好きなんですか。
実は、僕がこれから話そうとする話は、そんなあなたにぴったりな話だと思いますよ。
満足していただけると思います。
……ええ。
実際に体験した僕だって、いまだによくわからない話なんですから。

……あれは、去年の夏休みのことでした。
サッカー部が、一軍と二軍にわかれているのはご存じですよね?
それでサッカー部の二軍選手たち……いわば僕たちのことなんですけれど、僕たちは学校で合宿を強いられていました。

もちろん、レギュラーを含める一軍の主力選手たちとは、待遇も立場も違いますから。
一軍の選手は、学校なんかに泊まりません。
彼らとは、めったに顔をあわせることもできないほどですから。
僕たちは、どう考えても一軍に上がる才能も根性も持ち合わせていませんでしたから。

どちらかというと、強くなるとか大会で優勝するというよりは、楽しいクラブ活動ができれば、僕はそれでよかったんです。
でも、それって一軍の人たちからいわせると負け犬なんですって。
二軍は、そんな負け犬たちの集まりなんですよ。

一軍から二軍に落とされる選手はいても、二軍から一軍に上がる選手は、まずいませんから。
でも、僕はその方が逆に楽でした。
負け犬でも、楽しければいいじゃないですか。

坂上君だって、そう思いますよね?
1.負け犬でもいいと思う
2.負け犬は嫌だ
3.どっちでもいいと思う