学校であった怖い話
>四話目(岩下明美)
>A4
普通、傘をさすわよね。
たいていの理由は、単純に雨に濡れたくないからでしょう?
たとえ、雨が好きな人でもね。
私は、さっき言ったような理由があるから絶対傘をさすのよ。
でもね、雨の降りが弱いときは、細かい霧状になってしまうから、いくら傘をさしても無理なの。
空気や、風の流れにそって細かい雨が私を取り囲むわ。
そして、それが、服に、肌に、髪に、浸透する……。
そんなとき、私はいても立ってもいられなくなってしまうのよ。
家に帰れるときは、急いで戻ってシャワーを浴びるわ。
一種の潔癖症の一つかもしれないわね。
雨は天の恵みなんて、よくいわれるわよね。
確かにそうかもしれないわ……。
私たちが飲み水にしているのは、形は違ってもほとんど雨水からよね。
それを殺菌や、ろか処理してできるわけだしね。
だけど、最近、どんどんひどくなる酸性雨のせいで、森が枯れたりしているのは確かなのよ。
森が枯れるくらいなんだから、空から降ってくる酸性雨をそのまま受ければ人体にだって少なからず影響があるはずよ。
そんなことを考えると、思わず鳥肌が立ってしまうわ。
そして、これから話す話は、そんな雨の日に起こった出来事よ……。
ところで、坂上君て学校に置き傘してるかしら?
1.置き傘をしている
2.置き傘をしていない