学校であった怖い話
>五話目(荒井昭二)
>A7

ふふ……残酷ですね、あなた。
そんな性格だと、どうなっても知りませんよ。
でも、時田君も同じでした。
死ぬほど映画が好きでしたからね……。
もしかしたら、この映画は歴史に残る傑作になるかもしれない。

そう思うと、何より先に編集を続けたくなってしまったんです。
そして、その日見たフィルムにはもっと変なものが映っていたんですよ。
それは、主人公の組織のボスを倒すために、何人もの刺客を倒していくというシーンでした。
かっこよく、次々と刺客を殴り殺していく主人公。

よりリアルに死んでいく刺客たち。
もう、彼はごきげんです。
次々と、主人公が刺客を倒していくシーンを見る度に、彼もガッツポーズをする。
そして、主人公が最後のボスを倒すシーンです。
主人公の決め手のこぶしが、ボスの腹部に炸裂しようとした瞬間……。

相手は主人公のこぶしを避けて、パンチを繰り出したんです。
時田君は、目を疑いました。
「そんな……。これは、違う!」
最初っから、こんなによく撮れているはずがないのだから、それ自体が違うと僕は思うんですけどね。

時田君は、自分の見間違いかもしれないと思ってもう一度見直そうとしたんです。
坂上君だったら見直すかい?
1.見直す
2.見ない