学校であった怖い話
>五話目(荒井昭二)
>I9

僕が今まで話したことが、現実離れしてるといわれれば、確かにそうなんですけどね。 でも、坂上君はホラー映画が好きなんじゃなかった?
……そうですね、あれは全部作りものだっていう気持ちがどこかにあるから、安心して見ていられるんでしょうね。

そうですか、それがいいですよ。
あれは、一度見てしまったら一生後悔しますよ。
僕がそうなんですから。

でもね、時田君が学校で死んだことは話題になりましたが、視聴覚室にあった何十本というフィルムが、まるで最初からなかったかのように、跡形もなく消えてしまったんですよ。
そして、時田君が死ぬと同時に、映画研究会も解散しました。

映画研究会のメンバーは、誰もそのフィルムのことを知りませんでした。
あの映画は何だったんでしょうね。
もし、あの映画がどこかで完成しているなら、僕はぜひ見たいと思うのですが……。

ところで、僕は一本だけあのときのフィルムを持ってきてしまったんですよ。
無意識のうちに持って帰ってしまったのか、それとも誰かがポケットにそっと忍ばせたのか。

それは、時田君が殺される場面のフィルムでした。
ええ、僕が視聴覚室で見たものと同じフィルムです。
このフィルムだけでも見てみたいですか?
1.ぜひ見たい
2.別に見なくていい

※2番目の選択肢で「嫌い」か「どっちでもない」という意味の答えをした場合の選択肢
1.ぜひ見たい
2.別に見なくていい