学校であった怖い話
>五話目(岩下明美)
>F8

彼女は、そっと家を抜け出すと、急いで学校に向かったの。

急いで行ったけれど、裏門には人の姿は見えなかった。
時計を見ると、もう十一時を回っていたわ。
「やっぱり、帰っちゃったのかな……。公衆電話には誰もいないし」

辺りは不気味なほど静まり返っていたわ。
夜中の学校ですものね。
人通りもないし、誰かが隠れている様子もないし。
きっと、帰ってしまったんだ。

矢口さんが、あきらめて帰ろうとしたとき。
突然、電話のベルが鳴ったの。
その音は、鳴るはずもない公衆電話の音だったわ。
誰がかけているのか。
何だか、ベルは彼女のために鳴っているようだった。

どうする?
こんなとき、あなただったら受話器を取ってみるかしら?
1.取る
2.取らない
3.もう少し様子を見る