学校であった怖い話
>六話目(荒井昭二)
>A2

やっぱり困りますか。
そりゃ、そうですよね。
だって、新聞のお題目が七不思議なんですから。
怖い話が七つそろって、七不思議なんですからねぇ。

……でもねぇ。
いさぎよく、諦めましょうよ。
知らないでしょうが、実はこの学校に関する怖い話を七つ聞いてしまうと、何か悪いことが起きるという話があるんですよ。

でも、未だに七人目が現れませんから安心して六話目を話せますしね。
ですから、もっと前に僕の番が回ってきていたら、決して話さなかったでしょうね。

それほど、危ない話なんですから。
そいつが、どこで見張っているかわからないですからね。
そいつって誰かって?
人形ですよ。
おかしいですか?
坂上君、僕の頭が変になったと思いますか?

まあ、それでも構いません。
その人形を馬鹿にすれば、あなたが呪われるだけですから。
……でも、もういいでしょう。
もう七人集まりそうもありませんし、話しても大丈夫のようです。
それでは、話しましょう。
この学校に、住んでいる人形の話を。

……皆さん、人形はお好きですか?
人形にもいろいろあります。
日本人形やフランス人形など、その国の特徴を表したもの。
わら人形や黒魔術に使われるような呪術人形。

誰もが親しめるぬいぐるみだって人形です。
腹話術の人形や操り人形など、特殊な技術を要する人形。
一言で人形といっても、その用途も要旨も様々です。

でもね、共通していることが一つだけあるんですよ。
どの人形にも共通している点が一つだけ。
……それは、魂を持っているということです。

持っているというよりも、魂が入るという言い方のほうがいいでしょうか。
人形はね、書いて字の如く人の形を成しているものでしょう?
それを造った人や持ち主の思いを感じ取って、人形は魂を持ち始めるんです。

坂上君、人形にどんなイメージを持っていますか?
1.かわいい
2.怖い
3.暖かい
4.懐かしい