学校であった怖い話
>六話目(細田友晴)
>AF11

ひどいな。
僕を傷つけて、そんなに楽しいのかい?
君って、そんないじわるな人だったの?

細田さんが、恨めしそうに僕を見た。
……しょうがないな。
僕はうなずいた。
「すいませんでした。友達になりますよ」

ありがとう。
僕は、嬉しいよ。
初めて会ったときから、君とは友達になれる気がしてたんだ。
僕は、君を絶対に裏切らない。
これから、一緒になかよくやっていこう。

……そうだよね。
友達って、そういうもんだよね。
当然、見捨てられるわけないさ。
彼らだってそうだよ。
けれど、一人だけ渋る奴がいたのさ。

「……お前は、そういうけどな。あれは悪い冗談かもしれないぜ。きっと途中のどこかで待っていて、助けに行った俺たちを陰から脅かすつもりなのさ。だから、やめろって。あんな奴ら、逆に痛い目にあわせたほうがいいんだ」

それでも、最初に彼を助けに行こうといった一人は、自分の意志を曲げなかったのさ。
「……君たちが来なくても、僕は行くよ。冗談なら、それで安心できるじゃないか。でも、冗談じゃなかったら……? もし、本当に何かあったら、どうするつもりなんだよ」

「行きたければ、勝手にしろ。俺は行かないからな」
「ああ、勝手にするよ。僕は行くからね」
本当は、こういうときこそ団結するべきなんだ。
けれど、彼らは些細なことでケンカをしてしまった。

そして、勇敢な友達思いの一人だけが、トイレへ行くことになったんだ。
女の子は、何だかんだいってもやっぱり怖がってしまってね。
残りの三人は、職員室に先生を呼びに行くことにしたのさ。

ねえ、坂上君。
君は、どっちの話の続きを聞きたいかな?
1.トイレに行った勇敢な一人
2.職員室に向かった三人組