学校であった怖い話
>六話目(細田友晴)
>R10

うん、わかった。
それじゃあ話すよ。
友達の君の頼みだもんね。

……三人は、揃って職員室へ向かったんだ。
廊下をまっすぐに行って、角を曲がればすぐに職員室だ。
そんなに遠い道のりじゃない。
みんなの顔には、まだ余裕があったよ。
だけど、角を曲がっても職員室はなかった。

彼らの前には、今歩いてきたはずの廊下が、長く続いていたんだ。
後ろを振り向くと、教室のドア。
彼らは一歩も進んじゃいなかったんだ。
でも、そんなはずあるかい?
彼らは念のため、もう一度歩き出したんだ。

廊下の端まで歩いて、角を曲がる。
……やっぱり目の前には、長い廊下が続いている。
そして、背後には教室のドア。
これでハッキリした。
彼らは閉じ込められたんだ。

誰にかはわからない。
どうやってかもわからない。
ただ、空間がねじ曲がっていて、メビウスの輪のようになっているんだ。
ほら、リボンを一ひねりした輪っかで、指でたどると、裏も表もわからなくなるっていうあれさ。

「もう嫌ぁっ!!」
さっき泣き出した女の子が、叫んだ。
でも今度は、もう一人の女の子もなぐさめてやらない。
それどころじゃないんだろうね。
ガタガタ震えているのさ。

たった一人残った男としては、責任重大だったろうな。
坂上君だったらどうする?
1.教室の中を調べる
2.廊下を調べる