学校であった怖い話
>六話目(細田友晴)
>AT5

細田さんが戻ってきてくれたんだ。
立ち上がった僕の前で、ドアが開いた。
「まだ、気は変わらないかい?」
やっぱり細田さんだ。
また金縛りにあう前に、急いで駆け寄った。

「僕も行きます!」
細田さんは、ホッとしたようにうなずいた。
そうか、よかった。
それじゃあ、花子さんが出るっていうトイレに向かおう。
その間に、僕が話をするよ。
花子さんにまつわる話をね。

これは、もう何十年も前に起こった話なんだけれど……。

だから、その話の真偽を確かめることはできない。
本当に起こった話かもしれないしもしかしたら作り話なのかもしれない。
まあ、それはもうすぐ僕たちがこの目で確かめられるわけだけどね。
その事件の発端は、この教室で起こったんだよ。

季節は、ちょうど今頃だった。
蒸し暑い夏のある一日。
そのころ、期末テストで赤点を取った生徒たちが学校に残されていてね。
補習のプリントをやらされていたんだ。

どうだい、坂上君?
君は、テストで赤点を取ったことがあるだろ?
1.ある
2.ない
3.よく覚えていない