学校であった怖い話
>七話目(新堂誠)
>1G4

……僕は、いわれた通り、全員の靴をなめた。
全員の靴をなめ終え、僕は日野を見た。
「……約束です。アンプルをください」
「……いやだ」

日野は、僕の目の前で、アンプルを床に落とした。
「うわーーーーーっ!?」
僕がどんなに大声をあげようとも、アンプルはゆっくりと落下していき、床に落ちて砕けた。

アンプルが割れ、中の液体は床にぶちまけられた。
「約束が違うじゃないか!」
僕は、叫んだ。
もし、僕の両手が自由になっていたら、つかみかかっていただろう。
それでも、日野は少しもあせらず、冷静さを失わなかった。

「大丈夫さ。約束は守る。今のアンプルと全く同じものを、この学校のどこかに隠してやった。制限時間は、五時間。……おっと、もう四時間半しかないな。その間に捜し出せ」
……こいつら!

こいつら、なんて連中だ!
僕が必死に捜し回る様を見て、楽しもうってのか!?
「今、縄を解いてやる。いいか、自由になったからって、俺たちに手を出すなよ。俺たちに手を出そうものなら、そのアンプルは壊すからな。隠してある場所は、俺しか知らないんだ。そして、もう一つ。絶対に学校の外に出るな。お前がもし、学校の外に出ようとしたら、遠慮なくアンプルは処分させてもらう。

警察に行こうが病院に行こうが、お前の話なんか相手にされないぜ。お前が助かる方法はただ一つ。
この学校のどこかに隠されているアンプルを見つけることだ。守ることは、ただ一つ。学校の外に出ないこと。俺たちの復しゅうは始まったんだ。さあ、縄を解いてやる!」

岩下たちが、僕の縄を解いた。
これで手足は自由になった。
僕は、日野を思い切り睨みつけてやった。
なのに、日野は笑っている。

「おっと。殴りたいのか? 殴ってもいいぜ。そうしたらアンプルを壊してやる。どうする、坂上?」
1.殴る
2.ここは我慢する