学校であった怖い話
>七話目(荒井昭二)
>A2

やはり、終わりにした方がいいだろう。
もう、ここに残っている意味がないのだから。
「それでは、皆さん。今日はほんとうにありがとうございました」
僕は残っている人々に一礼し、それをしめの言葉とした。

みんなが帰ったあと、僕は最後に戸締まりをし、鍵をかけた。
僕は、たいして人形の話を気に止めたわけでもなかった。
怖い話にはよくあることだ。

ああやって、最後にその場にいる人間に不快感を与える話は、聞いたことがある。
例えば、声を押し殺して静かに話を進めていって、一番盛り上がるところで、大声を上げて驚かせる話。
この話を聞いたものに、不幸が訪れるといって終わる話。

そういったものの類いに決まっている。……でも、そんなことを考えるということは、逆に僕は気にしていることになるのだろうか?

部室のドアに鍵がかかっていることを確認して、帰ろうとした、その時。
「坂上君」
後ろで、誰かの呼ぶ声がした。
悲しそうに震える女性の声だ。

僕の足は、恐怖で震えた。
振り向くべきなのか?
1.振り向く
2.振り向かない