学校であった怖い話
>七話目(荒井昭二)
>AH3

僕は、肩に力を込めた。
ちょっと待った……。
まさか、に、人形!?
こんなタイムリーに出てくるなんてひどい!
さっき、あんな話は嘘だぞって自分にいいきかせたばっかりなのに!
ゾクゾクと背中に気配を感じる。

こうなったら走って逃げるか。
それしかない!
「ひっ!」
その時、そいつは僕の肩をぐっとつかんだ。
そして、僕を無理矢理振り向かせた。
「助けて…………なんだーーーー、福沢さんかぁ」

そこには、困ったような顔をしてたたずむ福沢さんがいた。
「なんだはないでしょ。
せっかく、一緒に帰ろうと思って待ってたのに」
僕の気の抜けた声を聞いて、彼女はちょっと頬をふくらませ、口をとがらせた。

「ごめん、ごめん。
そういう意味じゃなくて、ちょっと勘違いしただけさ」
「何と?」
「何とって……」
「さっきの話、気にしてるんでしょ?」
彼女は、いたずらっ子のように笑ってみせた。

「そういう福沢さんは? 福沢さんこそ、一人で帰るのが怖くて、僕のこと待ってたんじゃないの?」
僕もお返しに笑ってみせた。
「えへへ……、実はそう。せっかくこうして知り合ったんだからさ。一緒に帰ろうよ」

どうする?
1.一緒に帰る
2.一人で帰る