学校であった怖い話
>七話目(荒井昭二)
>G9

◆1回目

僕は、細田さんを捜すことにした。
細田さんの教室に行くと、まだ数人の生徒が残っていた。
「あのー、細田さんはいらっしゃいますか?」
僕が誰とはなしに尋ねると、みんな大きな声で笑い始めた。

「ぎゃははははは……、細田? 細田なら、トイレじゃねーのか? あいつ、いっつもトイレにいっからよぉ。トイレを捜してみな! ぎゃはははは……」
なんだ?
細田さんて、そんなにトイレが好きなのか?
仕方ない。
トイレを捜してみるか。

「おっと!」
教室から出ようとした振り向き様僕は細田さんの巨体にぶつかった。
細田さんは、ハンカチで手をふきながらニコニコ笑っていた。
どうやら、トイレで用を済ませてきたらしい。

「やあ、坂上君じゃないか。嬉しいなあ、僕を訪ねてきてくれたの?
僕たちは、親友だね!」
そういい、僕の肩を抱きしめた。
「あ、あの……、細田さん。それよりも、大事な話があるんです。荒井さんの人形の話、覚えてますか?」

そういうと、細田さんは僕を離し、途端に気味悪そうな顔をした。
「あの話はやめてくれよ。僕だって、忘れようと努力してるんだから。それにしても、荒井君もたちが悪いよなあ……。あんな話をして、みんなを怖がらせるんだから」
「やっぱり、荒井さんの話を聞いているんですね!」

僕が突っ込むと、細田さんは驚いたように後退りした。
「何を言い出すんだよ、坂上君たら……」
「細田さんは、昔から荒井さんのことを知っていたんですか?」

「……いや、昨日初めて会ったんだよ。同学年なのに、僕は荒井君のことを見たことないものなぁ。でもこの学校は人が多いから、仕方ないかな」
細田さんは不思議そうに首をかしげた。
「ありがとうございました」

僕は、それだけいうと、細田さんの教室をあとにした。
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◆2回目

もう、あの人のところには行かないぞ。
親友なんて冗談じゃない。
ほかを当たろう。
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