学校であった怖い話
>七話目(荒井昭二)
>AI2

「もう少しここに残っていませんか? なんだか、そういう気分なんですけど……」
僕はそういってみた。

「なんで僕たちがこんな嫌な気分にさせられなきゃいけないんだい?
しかも、ここに残れっていったいどういうこと?」
細田さんが僕にくってかかる。
確かに彼のいう通りだ。
ここで彼らを引き止める理由はない。

僕はいった。
「……すみません。別に意味はないんですが……。あの話のことで、ちょっと心配になってしまって。これからどうすればいいか話し合ったほうがいいかなって……。それで、つい……」

「いや、いいんだよ。僕たちのことを心配してくれたんだろ。でも、僕たちの心配はいいから自分の心配をしなよ。そんなに心配しないで。誰も死にはしないよ。それじゃあね」
細田さんは、そういって帰っていった。
みんなも、あとをついてぞろぞろと帰っていく。
「おつかれさんー」

最後の一人が帰り、僕は最後に戸締まりを確認した。
僕は、荒井さんの言葉を頭の中で繰り返していた。
そうだ、あんな話は嘘だ。
この中で誰かが死ぬ?
そんな馬鹿な話、あってたまるか。

部室のドアに鍵がかかっていることを確認して、帰ろうとした、その時。
「坂上君」
後ろで、誰かの呼ぶ声がした。
悲しそうに震える女性の声だ。

僕の足は、恐怖で震えた。
振り向くべきなのか?
1.振り向く
2.振り向かない