学校であった怖い話
>七話目(細田友晴)
>A1

「何をしてるかっ!」
まばゆい光の向こうで、太い男の声が響いた。
誰だ?
「あ、黒木先生!」
そういったのは細田さんだった。
僕の顔を照らしていた閃光は、床を照らし、おかげで僕は眩しさから解放された。

でも、まだ目がチカチカする。
「……なんだ、細田じゃないか。何をやってんだ、こんな時間に」
「……すいません」
……先生だったのか。
雰囲気からすると、細田さんとは顔見知りらしい。
残念ながら、黒木という名前の先生は、僕は覚えていない。

なんせ、この学校は広いから。
知らない先生がたくさんいる。
黒木と呼ばれた先生は、手に懐中電灯を持っていた。
……ということは、今日の宿直の先生なんだろうか。
じゃあ、もう宿直の先生が見回りをするくらい遅い時間ということになる。

「……君は?」
もう一度、懐中電灯の光が僕の顔に向けられた。
眩しさに、僕はちょっと目を細める。
「……あ、はい。坂上といいます」
黒木先生は、僕たちにゆっくりと近づいて来た。

「……お前たちなあ。ここが立ち入り禁止なのは知っているだろう。こんなところで何をしてたんだ?」
そして、僕たちの顔を見比べた。
細田さんが、頼りなさそうな目で僕を見る。
……とりあえず、僕が責任者ということになる。

やっぱり、僕が説明をするべきなんだろうか。
1.きちんと説明する
2.何とか話をごまかす