学校であった怖い話
>七話目(岩下明美)
>M5

……そう。
岩山は、本当に苦しそうだったからな。
このまま放っておくわけにはいかない。
俺は、岩山を担いで、外に出た。

外に出たとき、こんなにも空気がうまいもんだったのかって、改めて感じたよ。
まあ、それほど中の臭いは凄かったわけだ。
岩山は、げぇげぇ吐いてな。
よっぽど気持ち悪かったんじゃないか?
あのまま放っておいたら、どうなっていたか想像したくないな。

それで、もうその日はお開きさ。
とても、倉庫の中を調べられる状態じゃなかったからな。
だから、はっきりと倉庫の中にあるものを見たわけじゃない。
ただ、白井はあそこで間違いなく何かの実験を行っていたはずさ。
そして、何かを飼っている。

赤ん坊の泣き声と、水の揺れる音……。
それだけしかわからないけれど、絶対に何かあるぜ。
ちょうど一週間前に、俺が体験したことさ。

……なんだ?
みんな、期待を裏切られたような顔をしてるな。
安心しろよ。
まだ、話は終わったわけじゃない。
お楽しみは、最後に取っておこうと思っただけだよ。

俺が、一週間前の今日、忍び込んだという意味がわかるか?
そう。
今日もまた白井が休んでいる日なんだよ。
それで、俺はこの話を完璧なものにするために、岩山と一緒にもう一度あの倉庫に忍び込もうと考えた。

けどな、岩山の姿が見当たらないんだ。
一緒に行こうって約束したんだけどな。
あいつ、行きたくなさそうな顔をしていたし。
どうも、逃げちまったようなんだ。
……さあ、けれどそのおかげでお楽しみが増えたんだぜ。

俺のいっている意味、わかるよな。
この学校、最大の謎と俺が確信する、科学準備室の倉庫。
そこにあるものは何か?
謎の赤ん坊の泣き声と水音の正体は?

……どうだ?
これから、みんなでその正体を確かめに行かないか?
それが、俺の用意した話なのさ。
坂上。
お前に任せるぜ。
行くか、行かないか、決めてくれよ。

ただし、こんなチャンス二度とないってことだけは忘れないでくれよな。
1.行く
2.行かない


◆最初の選択肢で「5.最後の残り物」を選んでいる場合
2.行かない