学校であった怖い話
>四話目(新堂誠)
>C7

……そうか。
みんなももちろん、行くよな?
じゃあ、行こうか。

あの絵は、誰も片付けなかった。
だから、まだあそこにあるはずだ。
そして、恐ろしい顔のままでいるかもしれない。
俺はな、あの絵に関して一つだけ引っかかっていることがあるんだ。
これから、それを確かめてやる。
……さあ、美術室のドアだ。

いいか?
開けるぜ。
……ふふ、坂上?
お前には、どう見える?
俺には、清水さんが殺されたときの顔に見えるがな。
もっと近くに寄ってみようぜ。

……やっぱりだ。俺が思っていた通りだ。
俺はな、彼女の自画像は何十枚と見ている。
そして、彼女の描く自画像が大好きだった。
不思議なことに、彼女は学校であまり肖像画を描いたという話を聞いたことがない。

おそらく、外で描いたのは、これが最初で最後だったんだろうな。
だから、誰も気づかないのも無理はない。
けれど、俺の目はだませないぜ。
……この絵はな、二重に描かれているんだよ。

このキャンバスには、彼女の自画像の下に、もう一枚の絵が隠されている。
この塗り方……この絵の具の量……。
本来の彼女の描き方じゃないぜ。

きっと、彼女はこの下に描かれている本当の絵を隠すために、無理やり自画像を描いたんだ。
コンクールが近かったからでもなんでもない。
彼女は、何かを隠すために、必死にこの絵を描いたのさ。
どうだ、坂上?
この絵を削ってみるか?

もしかしたら、呪われるかもしれない。
けれど、それで真実が俺たちの前にさらけ出されるかもしれない。
どうする、坂上?
1.このままにしておく
2.絵の具を削ってみる