学校であった怖い話
>七話目(風間・岩下)
>V3

……えーっと、早苗ちゃんて誰だ?
僕が知っている人かな?
どこかで会ったことがあったかな?
この学校の生徒みたいだけど、人数が多いからなぁ。

一度は見たことがあるんだとは思うんだけど。
……思い出せないや。
ひょっとして、彼女が七人目?
彼女は、福沢さんの言葉には答えず、僕たちを一人一人を品定めするように見回した。

そして、彼女は僕の目を見たとたん、動きをぴたりと止めた。
「……あなた、坂上君?」
この子は、なんで僕のことを知っているんだろう?
なんだろう、とても不思議な雰囲気を持った子だ。

そして、僕の顔を見てにっこりと笑った。
「あっ!」
僕は思わず声を出した。
一瞬、彼女の口の中になにかがうごめいたような気がした。
気のせいか?

……そうだ!
僕ははっとした。
この場面に、なにか心当たりがあるぞ。
そう、彼女は福沢さんの話の中に出てきた元木早苗さんだ。
だから、あんなに不思議な印象を受けたんだ。

「ねえ、あなたは坂上修一君でしょ?」
元木さんが、もう一度たずねた。
……ここで素直に返事をしていいものかどうか。
1.はいと答える
2.いいえと答える