晦−つきこもり
>一話目(鈴木由香里)
>A4

こういう時って、女の子の方が頼りになるんだよね。
やるじゃん、葉子。
ちゃんとわかってるね。
男二人は、どうしようもない怖がりで、倉庫って聞いただけで震えてたよ。
臆病者なんだから!
まったく、やってらんないね。

その女の子の名前は、確か、松尾さんだったんじゃないかなぁ。
下の名前まではちょっと思い出せないや。
そんなに親しかった訳じゃないし、彼女も、私の名前知らなかったんじゃないの……?
とにかく私は彼女と、倉庫に向かったんだ。

倉庫の場所なんて知らなかったけど、もともと私は探検するつもりだったし、深く考えずに、フロアを歩き回ってた。
とりあえずこのフロアはもういいや。
遠くの方で、臆病な男二人が、作業を続けてるのが見える。
こんなことしてるのが見つかったら、怒られるんだろうな。

めんどくさいことになる前に、早く他の階に行こうっと。
売り場のエレベーターは止まってるから、他のフロアへの移動は階段か、業務用エレベーター。
止まってるエスカレーターを、階段代りに使うって手もあったよ。

私がどの方法を選んだか、葉子に想像がつく?
私になったつもりで答えてごらん。
1.階段
2.業務用エレベーター
3.止まってるエスカレーター