晦−つきこもり
>二話目(山崎哲夫)
>O10

(ははぁ〜ん、哲夫おじさん、また何かたくらんでいるんだわ。子供の頃にも、よく脅かされたりしていたっけ……)
「哲夫おじさん、また、何かたくらんでいるでしょ……」

「あれ、葉子ちゃん、鋭くなったなぁ。せっかく、良夫君と相談して、葉子ちゃんを驚かせてやろうと思ってたのに……」
「ちぇっ! つまんないの……」
「良夫っ!」
………………………………。
「う……うう〜ん……」
「葉子ちゃん、葉子ちゃん!」
「はっ……」

「大丈夫かい?
葉子ちゃん……」
「哲夫おじさん……。はっ! それより良夫は!」
「ちっ、だらしがねぇでやんの。
こんなお面で、気絶することはねぇだろ?」

良夫は、お面を持って、私のことを馬鹿にしています。
「お面……?」
私がそういうと、泰明さんがすまなそうな顔をして、話し始めたの。
「実は、ちょっと前に、良夫君から頼まれてね。

特殊メイクをやっている友達に、良夫君の怖い顔のお面をつくってもらったんだ。それが、さっきのお面さ。まさか、こんなことになるなんて思ってもみなかったんだ。すまなかったね、葉子ちゃん」
泰明さんは、良夫をかばって、自分のせいにしているわ。

「いや、悪いのは自分さ。泰明兄さんには、関係ないよ。本当に悪かったね。葉子ちゃん……。気分が悪そうだけど、今日は、もうやめとくかい?」
1.やめる
2.続ける


◆一話目で泰明の話を聞いている場合
1.やめる