晦−つきこもり
>三話目(山崎哲夫)
>A1

「いやぁーっ、待ちくたびれたぞ、葉子ちゃん」
三人目は、哲夫おじさん。
哲夫おじさんって、冒険家なんだって。
自分では、そういっているけど、私から見れば、ただのぶらぶらしているおじさん……。
どうやって、生活しているのかしら。

「葉子ちゃんもとうとう高校生か。早いものだなぁ。この前まで、小さなお猿さんみたいだったのにな。もっとも、葉子ちゃんが赤ちゃんだった頃の話だけどな。がっはっはっはっは」

哲夫おじさんって、いつも口を大きく開けて笑うの。
その顔を見ていると、何をいわれても腹が立たないから不思議。
哲夫おじさんって、得な人だわ。

「そういえば、葉子ちゃん。昔、自分が葉子ちゃんを川につれていってやったこと、覚えてるかい?
確か、葉子ちゃんが小学校に入学するか、しない頃だ」
1.覚えてる
2.覚えてない