晦−つきこもり
>三話目(山崎哲夫)
>E8

自分もな、本当はテントの中なんか、戻りたくなかったんだけどな。
外にいるのも怖いし……。
とりあえず、中には藤澤が寝ている。
一人でいるよりは、ましだろうと思ったんだ。

それで、中に戻ることにしたんだ。
恐る恐る中に入ったんだけどな。
テントの中は、藤澤の寝息だけが静かに聞こえていた。
自分はな、素早く布団の中に滑り込んで眠りにつこうとしたんだ。

でも思った通り、すぐには寝付けなかったよ。
隣からは、藤澤の気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる。
(自分も、早くあんな風に気持ちよく眠りにつきたい……)
布団の中で、ずっとそんなことを考えていたよ。

それからしばらくしてからだ。
自分は、おかしな事に気がついたんだ。
なんだか、寝息が二人分聞こえてくるんだよ。
一つは、藤澤の分だよな。
でも、もう一つ聞こえるんだ。
自分の隣から。

このテントには、自分と藤澤以外寝ていないはずだろ?
それなのに聞こえるんだ。
自分の息が聞こえているのかとも思った。
それで息を止めてみたんだ。
それでも……それでも聞こえるんだよ!
その寝息が!

じゃあ、誰なんだって事になるよな。
自分は、気にしないことにして、黙って寝ようかとも思ったんだ。
でも気になるだろ?

自分はな、気になって、気になって仕方がなくて、見てみたんだよ。
自分の隣を。
するとな、自分と藤澤の間には……。
葉子ちゃん。
自分は、何を見たと思う?
1.幽霊
2.知らない人


◆最初の選択肢で「1.覚えてる」を、2番目の選択肢で「2.そうかな」を選んでいる場合
◆最初の選択肢で「2.覚えてない」を、3番目の選択肢で「2.そうかな」を選んでいる場合
1.幽霊