晦−つきこもり
>四話目(前田和子)
>Y6

「冗談じゃないわ!」
思い切り叫ぶ。
「えっ?」
私の勢いに、哲夫おじさんがびくっとした。
「そんなに冷たくしなくてもいいじゃないか……」
あれ、いじけてる。
しょうがないなあ。

「哲夫おじさん、ほら、もう行きましょうよ」
ちょっと探して、すぐに戻ってこよう。
……そうだわ!
隣の部屋にでも行って、適当なものを宝だっていって取ってくればいいじゃない。
さもないと……。

「縁の下を探すなんて嫌だもの」
「え、なんだい葉子ちゃん、
何かいったかい?」

「い、いえ、何でもないです。さあ行きましょう!!」
1.右隣へ
2.左隣へ