晦−つきこもり
>四話目(前田和子)
>AC7

えーと、左隣へ……。
あれ、行き止まりだわ。

「葉子ちゃん、もっと、違う所を探そうよ。ほら、裏庭とか」
……哲夫おじさん、どうしてもわけがわからない所を探したいみたいね。
そうはいかないんだから。

「私、思い出してきたんです。ちょうど、そこの右隣の部屋に隠したような気がするんですよ。早く行きましょう」
「……ふうん」
哲夫おじさんは、不満そうにしている。
でも、かまってはいられないわ。

私は、右隣の部屋に駆け込んだ。
うわ、真っ暗。
「あっ、葉子ちゃん、待ってくれよ」
すばやく扉を閉める。
「葉子ちゃん、
葉子ちゃん!」
哲夫おじさんが入ってこないように、鍵をかけちゃおう。

えーと、へえ、木でできた鍵なんだ。
トイレみたいに横に引くのね。
さあ、これでよしと……。
「葉子ちゃん、どうしたんだい?
何かあったのかい? 扉が開かないぞ!! おおい、大丈夫か!?」
哲夫おじさんは、激しく扉を叩いている。

「みんなー、大変だ!! 葉子ちゃんが閉じ込められたぞ!!」
うわ、何かまずいことに……。
足音と共に、哲夫おじさんの声が遠くなった。
誰かを呼びにいったのかも。
どうしようっ。
1.部屋を出て謝る
2.あわてちゃ駄目