晦−つきこもり
>四話目(前田良夫)
>A5

よく知ってんじゃん。
でも、なんでそんなものが、園部の爪にはさまってんだ?
不思議に思ったけど、泣いてる女子に、そんなこと聞けないじゃん。
そのまんまになっちゃったんだよな。

次の日は、もう大騒ぎだった。
檻にビニールシート張って、先生が前に立って。
朝礼で、校長先生が気にするなっていってたけど、しないわけないじゃん。
女子なんか、固まってベソベソ泣いてやがんの。

園部も、泣くかなと思ったんだ。
でも、何か我慢しているような顔で、ジッと下向いたままだった。
結局その日は、午前授業で帰されたんだよ。
給食は食ったし、勉強しなくていいっていうなら、こっちは超ラッキーだからいいけどさ。

家にいろっていわれたけど、そんなこと関係ないよな。
カバン置いて、早速遊びに行ったんだ。
だって、せっかくの自由時間だぜ。
遊ばなきゃ損じゃん。
1.いいたいことは、わかるけど……
2.馬鹿なこといわないで