晦−つきこもり
>五話目(山崎哲夫)
>A3

まだ怖い話はしてないのに……。
女の子のいうことって、よくわからないなあ。
でもまあ、これはうそじゃない。
とにかく規則が厳しい学園だったよ。

朝起きる時間や、寝る時間がこまかく決められていたんだ。
寮は一部屋を四〜五人で使うんだがな。
その部屋ごとに班長がいるんだ。
生活を監視されてるという感じだな。
まさに地獄の日々だったよ。

外出するにも許可がいるんだから。
出歩くのが好きな自分には、全然向かなかったよ。
まあ、ちょくちょくこっそりと抜け出してはいたけどな。
それで、他にも抜け出していた奴がいたんだよ。
名前は……ショーンっていったっけ。

金髪の美少年だ。
自分の親友だったんだぞ。
あれ、葉子ちゃん。
何笑ってるんだい?
自分に、そんな親友がいたなんておかしいかい?
1.おかしい
2.おかしいより怖い
3.ちっともおかしくない