晦−つきこもり
>五話目(前田良夫)
>Z3

そうだよ。
成田は、そのボタンを押したんだ。
取り出し口に、缶が落ちてきた。
成田はかがみ込んで、缶を取り出したんだよ。
何も文字や絵がついてない、銀色の缶だったって。

生ぬるくって、握ってるとジワーッとあったかいんだ。
成田は悩んだってさ。
缶を開けていいのか、やめといた方がいいのか……って。
それで、缶の上についてる輪っかを、ちょっとつまんでみたんだ。

葉子ネエ、あれってなんて名前か知ってる?
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