晦−つきこもり
>六話目(真田泰明)
>2A4

俺は日本人形のところへ行った。
他の調度品の中でなぜか、その浮いた感じが興味をそそった。
その日本人形には、ほこり一つついていない。
(どうしてだろう………)
不思議だった。
(まるで動き出しそうだな………)

そして俺はその人形を見つめて、そんな感じを受けた。
その人形は特にリアルというわけではない。
何か単なる人形にはない、生々しさのようなものがあった。
(えっ………)
突然、影が動いた。

俺の目がその人形に釘づけになったまま、体は金縛りにあったように身動きがとれなくなっていた。
(あっ、ああ………、誰かのライトの光が当たったのか………)
やっと俺は、その影の動きを理解する。

俺はそう納得すると、落ち着きを取り戻した。
そして俺は振り返ると、みんなに向かっていう。
「そろそろ行こうか」
みんなは頷くと、扉に向かい歩き出した。
俺達はその部屋を出る。

(→二階廊下に戻る)
(→全ての部屋を回った場合)